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【イスラム過激派】『自爆テロ』は『日本赤軍』によって生まれた

日本赤軍指名手配犯
出典:警察庁

1970年代に数々のテロを起こした国際テロ組織『日本赤軍』。
当時を知らない私にとって、この組織がどのような活動をしていたのかよくわかっていないので調べてみたら、イスラム過激派に大きな影響を与えていた事がわかりました。

『日本赤軍』っていったい何?

 『マルクス・レーニン主義』という、ロシアで生まれた社会主義は素晴らしいよ!」という主張に基づいた社会を作るためにテロ活動をしていた組織です。
マルクスとレーニンはロシアの人ですが、この主義が生まれた当時のロシアって貴族が非常に優遇されていて、民衆は虐げられている、という貧富の差が激しい国だったんです。
「一部の人が儲かる資本主義をやめて、資本はいったん政府が吸い上げて平等に国民に分配すれば貧富の差がなくなるし幸せになるよ!それに、皆平等なら戦争もなくなるよ!」ということでできたのがソビエト社会主義共和国連邦。

『日本赤軍』はこの主義に基づいて、まずは日本を社会主義国家に革命、その後アジア、全世界を革命する、という壮大な計画を練っていました。
で、彼らの敵は何か、というと日本政府、警察、アメリカや当時の西ヨーロッパ諸国といった資本主義国家。

国際手配ハイジャック犯"
出典:警察庁

皆さん、名前は聞いた事があるでしょう『よど号ハイジャック事件』。
この事件は、『日本赤軍』メンバーが北朝鮮国内で同士を募り、最終的には北朝鮮軍を動かして朝鮮半島を武力で統一、その後、日本→アジア→世界で革命を実行、という目的のために実行されました(ハイジャックしたのはメンバーに逮捕状がでていて正規に出国できなかったから)。

 

重信房子

重信房子
出典:産経WEST

1970年代、『日本赤軍』は以下のような大きな事件をたくさん起こして世界中から非難を浴びていましたが、その日本赤軍の設立メンバーで最高幹部がこの写真の重信房子。

昭和47(1972)年5月30日 テルアビブ空港乱射事件  
昭和48(1973)年7月20日 日航ジャンボ機乗っ取り事件 ドバイ事件
昭和49(1974)年1月31日 シンガポール製油所襲撃事件 シンガポール事件
昭和49(1974)年9月13日 フランス大使館占拠事件 ハーグ事件
昭和50(1975)年8月 4日 クアラルンプール米大使館領事部、スウェーデン大使館占拠事件 クアラルンプール事件
昭和52(1977)年9月28日 ダッカ日航機乗っ取り事件 ダッカ事件

見た目は普通の女性(むしろ美人)ですが、生粋のテロリストです。
今もニュースで耳にするパレスチナ問題、重信はこの問題に傾斜してレバノンに渡り、『パレスチナ解放人民戦線(PFLP)』というパレスチナのテロ組織と接触、連携して上にあげたような事件を共同で次々起こしました。

 

無差別テロのはしり

『日本赤軍』が起こした多くの事件の中でも、最も世界中から非難をあびたのが『テルアビブ空港乱射事件』。
パレスチナ解放人民戦線(PFLP)の要請により、3人の『日本赤軍』メンバー(うち2人は大学生)が空港で自動小銃を乱射、手榴弾を投げて約100人の死傷者を出しました。
犯行メンバーのうち2人は射殺、手榴弾で自爆。
残る1人(岡本公三)は現在もレバノンに亡命中。

当時は、テロリストが無差別に一般市民を襲撃することは前代未聞であり、事件は衝撃的なニュースとして全世界に伝えられた。
出典:テルアビブ空港乱射事件 - Wikipedia

このテロが起こる前のテロは要人がターゲットでしたが、『日本赤軍』が起こしたテロは今も繰り返される一般人を巻き込む無差別テロのはしりだったと言われています。

 

自爆テロを正当化するきっかけ

『テルアビブ空港乱射事件』で、実行犯は 最初から死を覚悟して犯行に及んでいますが、この自殺的行為はイスラム過激派が自爆テロを『ジハード』と解釈するきっかけになりました。

そもそも『ジハード』は「努力や奮闘」という意味ですが、「異教徒との戦い」を指すということにも使われ、この部分が転じて『聖戦という意味に訳されました。

自爆テロの実行犯が自分が仕掛けた爆弾で死んだとしても、同時に敵側の人間も多く殺傷できるので、これは『ジハード』になります。
そして、『ジハード』で死ぬと天国に行ける、とされます。
これが自爆テロに走る理由の一つです。
また、中東の多くの国は言論の自由などがなく、閉塞した社会に絶望している多くの若者が『ジハード』で早く天国に行きたい、という理由で死に場所を求めることもあります。

パリで同時多発テロが起こりましたが、一般市民を標的にした無差別テロを最初に実行して世界中のテロリストに影響を与えたのは『日本赤軍』、という事実に日本人として何ともいえない気持ちになります。